しずかよりもジャイ子の方が家庭的でいい女だと思っていた20代。それでも男は、しずかがいいことが分かった30代。
事の発端は、ドラえもんの人生ゲームを学生時代の友人が持っていたこと。
ゲームの大意が「しずかちゃんと結婚できるか?それともジャイ子になってしまうのか?」というところに当時学生だった私は非常に大きな違和感を覚えた。
新居となる家には大きなバツ印がついてあり、更には膨大な”のびP”を失うことになるジャイ子との結婚。それと比べ、バラ色とされるしずかとの結婚。
しずかとの結婚ってそんなに素敵なことだろうか?
しずかは明らかに「恋愛向きの女」であり、「結婚向きの女」ではない。
ジャイ子が「私はあなたの家政婦じゃないの!」などという文句も言わず、着実に家の仕事を片付け、尚且つ、漫画家としての副収入を得る妻になるのに対し、しずかは
「だってあたし、お風呂に入っていたんだもの」と意味の分からない言い訳を盾に何もせず、「のび太さん、あたしシャネルじゃないといやよ」などというおねだりは見事にこなす妻になるであろう。
「どう考えても、ジャイ子の方がいいじゃないか!なんだこのゲーム、間違ってるわ。」
と若かりし私は確信を持っていたのだが、男子目線で見るとそうでもないことに最近気付いてしまった。
男という生き物はどうやら見た目に98%ひっぱられる生き物であるということが分かったからだ。残りの2%は、見た目入りなのだが、出口で「やさしいところが好き」などと言っているパターンなので実質100%が見た目である。
ジャイ子の方が妻に向いていると頭で分かっていたところで、見た目に、どタイプな女がいたらそっちにいってしまうのだ。
「見た目で判断するなんて!」と若かりし頃の私は憤慨しそうなものだが、今は「そんなものでしょう」と納得がいく。
むしろ藤井隆のように奥様の顔が好きと言い切ってくれると清清しくもある。だって本当にそうなのだから。
見た目にタイプかどうか?
単純で非常に分かりやすい。まことに結構なことじゃないか。
しずかのような王道の可愛い系女子が好きな男は、とことんしずかを追えばいいし、
ジャイ子のようなポチャっと女子が好きな男は、とことんジャイ子を追えばいい。
女子側にとって大事なのは、この単純なマッチングが上手くいくようにアンテナを張って逃さないことなんだろうな。
って、それがとても難しいのだけれども。